安倍文珠院の文殊菩薩像

さてそこで次に仏陀はまた別の優れた菩薩である、マンジュシュリ(文殊菩薩)に対しこれまで説明された25の手法の中でどれが一番優れているかと尋ねました。特にアーナンダにとって最も好ましいもの、悟りの状態へと高まるための教えを求めている、仏陀の弟子にとって最も適した方法とは何かを尋ねました。「私たちが思うにこのアーナンダはごく一般的な人々をさしていると考えられます。彼は菩薩ではなく、悟りへと高まることを望んでいるごく普通の個人です。」

 

そこで仏陀はアーナンダが活用することのできる最も優れた方法は何かと尋ねました。彼が目覚めを得るための最も簡単な方法は何かと尋ねました。私の涅槃の後に菩薩たちとともに、悟りの状態への最高の目覚めを求める、そのような人々のための最高の手法は何かと尋ねました。

 

この問いに対しマンジュシュリは非常に長い説明を行いました。これまでに説明された一つ一つに対し賞賛を与え、そして最終的な結論としてアバロケーティシュバ(観世音菩薩)が提唱していたその方法が最も優れていると述べました。「あなた自身の真我を聞くために逆戻りすべきである、この悟りへと導く言葉を聴く能力が元々備わっている。聞くことそれ自体に意味があるのではなく、その名前の音の価値に意味がある。逆戻りすることによって音から解放され、何者とも関わっていない状態になる。すべての感覚器官がその源へと戻るとき、六つの感覚器官すべてが自由になる。聴くことや見ることは幻影のようなものである。三つの世界すべてが空に浮かぶ花のように見えるようなものである。その全く関わっていない状態においては幻覚すべてが消え去る。知覚対象がすべてなくなり完全に純粋な状態になる。この純粋性とともに明るい光がすべてに行き渡るようになり、光り輝く静けさが無の空間を満たすようになる。」

 

そしてさらにマンジュシュリは直接アーナンダに対し次のように述べます。「アーナンダよ、あなたがたった今聞いたことは、あなたの聞く能力を内側へと向かわせ、あなた自身の本質を聴くことを可能にするでしょう。それによって至高のボディ、至高の意識の目覚めがもたらされることでしょう。このようにして悟りの状態が実現されます。」

 

そして彼はアバロケーティシュバと同じことを述べます。「ガンジス川の砂粒と同じくらいたくさんの仏陀たちが、このたった一つの門をくぐりニルヴァーナへといたりました。過去の悟りを得た者達すべてがこれを実現しました。すべての菩薩たちが今、この完全性を実現しました。これから悟りを実現しようとするものすべては、このダルマ、この手法を頼りにすべきである。この技術を実践したのはアバロケーティシュバだけではなく、私もまたこの手法を実践した。」つまりマンジュシュリも、この手法を実践したということです。

ゆうゆう先生ブログ「意識の進化の観点から見た仏法僧」

ゆうゆう先生ブログ「篤く三宝を敬え」

 「悟りを得た者達や尊敬を集める者達すべてが、悟りの実現を求め、ニルヴァーナを実現するためのその手法を探し求めている人々に対し最高の手法を明らかにした。音を用いて瞑想することが最善である。それ以外の手法はすべて弟子たちが困難に出会わないように、特定の状況に合わせて仏陀が用いたものである。それらは様々な種類の人々すべてが実践すべきものではない。アーナンダのようなダルマを終える年令にある人々は、聴覚を用いてすべての対象を超越し、真の心を体験すべきである。」

 

これが仏陀が認めた最終的な結論です。この手法を2人の偉大なる菩薩たち、アバロケーティシュバとマンジュシュリが実践しました。彼らは聴覚を用いて、すなわち音を用いてそれ自身へと逆戻りさせます。つまり通常耳を通して音を聞くときには注意が外側へと向かいますが、それとは逆に音を用いて聴覚の源、すべての感覚器官の源である超越意識という内側の方向へと向かいます。これが超越瞑想です。

 

このようにシューランガマースートラにおける非常に明確な結論は現在私たちがマハリシの超越瞑想法と呼んでいるこの手法が、サマーディを体験する為の最も優れた手法であるということです。この手法はすべての人に教えられ、すべての人によって実践されるべきです。この手法は簡単に学ぶことができ、すべての人に悟りをもたらすことができます。このように非常に深遠な分析によって世界の全歴史を通じて常に語り継がれてきた、その最高の瞑想法が今グル・デヴの導きの下、マハリシによってこれまで50年間に渡って世界中に提供されています。

 

さてこの本のその前書きにおいて人が書いていることを見てみると、全く驚いてしまいます。この経典にかかれている、どのように瞑想し、どのようにして超越し、サマーディを体験するのか、という事に関する非常に明確な単一の教えが、知的理解のレベルにおける混乱によって、その意味を完全に失っていることがわかります。詳細に関する分析といった知的レベルの理解のみにとどまり、サマーディを体験する為の技術そのものの価値が完全に見失われています。これは仏陀の教えを信じる、現代および過去のすべての人々にとっての大きな不幸であるといえます。時の流れとともにこの完全な体験が見失われてしまいました。

 

さてこの仏教の特定の経典であるシューランガマースートラにおけるもう一つの興味深い点は、この経典においてはフライングに関する記述があるということです。ここでも再びアバロケーティシュバがフライングについて説明しています。「もし誰か無の空間を自由に飛び回りたいと望む人がいるなら、私たちがマヘーシュバラとなって現れ、彼らにダルマを教えよう。それによって彼らはその目的を達することができる。」

 

このフライングはマハリシが過去四半世紀に渡って教えている技術です。このヨーガのフライングはTMシディプログラムの技術の一つです。マハリシはこの技術をヴェーダとヴェーダ文献の40の側面の一つである、パタンジャリのヨーガスートラから取り上げました。マハリシはシューランガマースートラに関する話を聞いた際に次のように述べています。

「フライングは仏陀の教えを愛するすべての人々にとって、そして世界中のすべての人々にとって非常に重要な現象です。なぜならこのヨーガのフライングのテクニックはそれ自体がサマーディの体験の確証となるからです。ヨーガのフライングの実践は超越瞑想に基づいています。まず最初に超越瞑想を行い、それによって心が落ち着いていき、超越意識へといたります。そしてこの静寂において、この意識の超越領域において想念を放ちます。このレベルから非常に微細な想念を放ちます。それは特定の想念であり、体が飛ぶための、体が空中に浮かび上がるためのそのような目的をもった想念です。

サマーディのレベルから、超越意識のレベルからこの想念が放たれるとき、意識および生理において非常に驚くべき効果が即座に現れます。意識が無限に拡大し至福で満たされるようになります。そして体全体がエネルギーで満たされ、空中に浮かび上がります。ちょうど今ご覧いただいていますように、床に敷き詰められているマットの上を飛び回ります。これは全く努力なく自発的に起こります。サマーディのレベルから最も繊細な想念をただ放つことによって、体が浮かび上がりこのように飛び回ります。

 

科学的研究が明らかにしていますように、この飛び上がる瞬間には脳波の同調が見られます。これまでの科学的研究において、今まで計測されたこともないような非常に高い度合いの秩序だった脳機能が見られます。非常に強力なサマーディの体験がこのヨーガのフライングと呼ばれる現象を生み出します。これはサマーディの体験のその力強さを物質的なレベルで、目に見える形で証明しています。このサマーディの体験は超越瞑想中に実現され、それがTMシディプログラムおよびヨーガのフライングの実践中に活性化されます。特にヨーガのフライングの実践中にはそれが最大限に活性化されます。

 

これは心と体を統合する非常に強力な技術です。心の最も微かな脈動が非常に躍動的な形で体を動かし、同時に非常に強力な影響を生み出します。そしてヨーガのフライヤーのグループがともに実践し、その強力な影響を放射する時、超越領域を通じて全社会に同調が生み出されます。環境に存在するストレスや否定性を中和します。

 

環境を浄化し、村落や都市全体において、あるいは国や全世界において平和的で調和的な雰囲気を生み出します。世界人口の√1%にあたる8000人のグループがこの強力な技術をともに実践するときにそれが起こります。科学的研究によっても世界意識全体において計測可能な変化が実際に現れることがわかっています。暴力や犯罪や戦争が減少し、国家間の調和や経済成長が促進されます。世界意識における肯定性が明らかに計測可能な形で増大することがわかっています。

 

このことからもアバロケーティシュバが言っていたことのその重要性を窺い知ることができます。彼は次のように述べていました。「この技術を実践する人々はサマーディの体験を得ることができ、また憎しみが消えてなくなる」そのように述べていました。先ほど読み上げましたようにサマーディの状態を体験している時に起こる、その素晴らしいことが見事に表現されていました。すべての生き物に対する憐れみの気持ちが高まり、憎しみや否定性が消えてなくなると述べられていました。

 

ここでもう一度読み上げましょう。「主体と客体が単一の状態、統一性へと溶け込む時、悪意に満ちた人々が怒りや憎しみを捨て去る。」これと同様の表現がパタンジャリのヨーガスートラにおいても見られます。アバロケーティシュバが言っていたのと全く同じ、非常に重要な意味を持つ詩節です。その表現とは”タッツサンニーダハヴァイラティアーガハ”その意味は「ヨーガの付近においては、サマーディの体験のその付近においては敵対的な傾向が取り除かれる」というものです。

 

ここにアバロケーティシュバが明らかにしていたのと全く同じ教えが見られます。世界史における今この時代においてこのことが非常に重要となっています。私たちは今非常に困難な状況に直面しています。まさに戦争と平和との間のその転換点にさしかかっていると言えます。今世界において平和への機運が高まっています。世界中で平和への動きが見られます。数億もの人々が今平和を願い戦争の恐怖を消し去ることを願っています。

 

ですが世界の全歴史において平和が実際に実現されたためしがありません。人々は平和を実現するために戦争を起こし戦ってきました。そのような考えは明らかに矛盾しており、終わることのない不幸をもたらしつづけてきました。人々は外交政策や条約、国際的組織の介入や説得や脅しといったあらゆることを試みましたが、それでも尚戦争が引続き起こり、今再び世界的な戦争が起こる危険が高まっています。

 

ですがここに教えがあります。仏教における偉大なる賢人であるアバロケーティシュバが説き、そしてまたヴェーダの伝統においても同じ知識が説かれています。今日においては聖マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーが平和の影響力を実際に生み出すための、非常に単純な技術、単純な秘訣を明らかにしています。それはサマーディの体験によって生み出される影響力です。環境における憎しみや否定性や敵意を消し去ります。

 

数千人の人々のグループによってそれを消し去ることが実際にできます。ヨーガのフライングを実践する十分な数の人々がいれば、数百万もの人々からこれら否定性を取り除くことができます。このグループが生み出す平和の影響力が集合意識におけるあらゆるストレスや否定性を洗い流します。そして集合意識全体を全宇宙を管理している宇宙憲法、神の御心と連携させます。そしてそれによって万人の生命が自然法の進化的な方向へと常に向かうようになります。これがグループが生み出す力です。

 

現代の偉大なる仏教の僧侶たちがこの目的を達することができます。どこでも構いません。仏教の僧侶たちがアバロケーティシュバおよびマンジュシュリが推奨し、さらに仏陀が最高の瞑想法であると認めたこの手法を実践すべきです。この手法の実践によって世界から怒りや憎しみを取り除くことができます。

 

これは何か空想上の話ではありません。これは単なる作り話ではありません。この科学の時代における現実なのです。この過去の古い時代から伝わってきた教えを、今現代において科学的研究によって確証することができ、また科学的原理によって説明することができます。被造界のすべての生命の統一された基礎の発見、量子物理学による自然法の統一場の発見によってそれを理解することが可能となっています。

 

世界中の仏教の僧侶たちがともに集まり1000人のグループ、もしくは8000人のグループ、何人でも構いません。自ら悟りの状態へと高まりつつ平和の影響を生み出すべきです。それによって戦争が世界に存在しなくなります。世界中のすべての宗教の僧侶や聖職者たちが同様の事を行うことができます。

 

それでは最後に一言皆さんにお伝えしたいことがあります。それはマハリシチャンネルやマハリシ公開大学その他マハリシの各種講座において、何度も紹介されてきたことです。そのこととは尊主仏陀が万人の脳の中に発見されたということです。

 

これは「地球的世界平和の国」初代国王ラージャ・ラーム国王陛下が発見したことです。陛下は人間の生理は意識の表れであるということを明らかにしました。意識が振動することによって生み出される自然法の脈動、それがヴェーダです。そして生理はこの超越領域における自然法の普遍的な振動が具体的な形であらわれたものです。これが意味するのは超越領域に存在する、あらゆる総合的実在が、例えば尊主仏陀、偉大なるアバターである仏陀やその他すべてが物理的な形で人間の生理の中に存在するということです。

 

ラージャ・ラーム陛下は人間の生理に関する研究を行い、尊主仏陀が脳幹に存在することを発見しました。菩提樹の木の下に座っているその仏陀の構造が、脳生理においても見られることを発見しました。すべての人間が悟りを実現する能力、その生まれながらの権利を持っているのはこのためです。なぜなら実際に脳の中には悟りの具現者である仏陀自身が存在するからです。

 

これは神が生み出した人間の生理という宇宙的な構造の一部です。人間の生理には尊主仏陀や、すべてのデーヴァタ、全宇宙、自然界のすべての諸法則が物質的な形で存在しています。すべての人間が宇宙的な潜在力を備えた、宇宙的な存在です。誰もが悟りの状態を生きる能力を備えています。ただ単に超越のメカニクスを用いることでそれが実現されます。すべての人間の生理にはそれを行う能力が既に備わっています。

 

このことが仏陀の時代に仏陀によってそしてアバロケーティシュバおよびマンジュシュリによって教えられ、また数百年間に渡って仏教の伝統の聖人たちによって、またさらに世界中の偉大なる賢人たちによって教えられてきました。そしてまたこの教えがインドのヴェーダの伝統の大師たちによって伝えられ、それが今現代において大聖ブラーマナンダサラスワティから聖マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーへと手渡され、マハリシはこの失われてしまっていた偉大なる教えすべてを個々人の悟りの実現のために、恒久的な世界平和の創造のために全世界に提供しています。

 

そのためにマハリシは世界中に3000の平和宮殿を建設する計画を現在進めています。そしてまたさらに8000名のヨーガのフライングを実践する人々のグループをできるだけたくさん創設する計画を進めています。世界平和を望むすべての人がこの活動に参加することができます。マハリシとともに世界中の高い精神性を有する人々による8000人のグループを創設することができます。その可能性が今私たちに開かれています。マハリシおよび「地球的世界平和の国」初代国王ラージャ・ラーム陛下は2500年前に仏教の経典であるシューランガマースートラに記されたその仏陀の教えを通じて恒久的な世界平和を創造しようとしています。

ジェイ・グル・デーヴ