ハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(TM運動創始者)によるヴェーディック・サイエンス入門編

                             明かされたヴェーダの神髄 1991年 月刊誌UTOPIAより

老化の過程について話をするとき、私たちが考慮に入れなければならないのは、純粋意識が物質へと変換する所、自然本性の8つの価値、つまりプラクリティへと変換する所です。

 

もし、この部分に何らかの異常が忍び込めば、その時老化が始まります。

老化の種は進化の過程の中に見出されます。

進化の過程の種は、破壊することのできない超越領域、不変なるもの、不滅の領域のしっかりした基礎の上にあります。

akshara

この場から、生命の海が波になり始めます。

無限の全体性から個別のものが生じ、自然本性の8つの価値が出現します。

これらの8つの価値の中に、表わされていないものが表されたものへと表現される仕組みがあります。

この過程において、純粋な全く形に表されていないものが何らかの形で他の物と混ざってしまうと、異常が生じ進化の過程の妨げになってしまいます。

 

自然本性の8つの価値は、その根本においては純粋なものです。

なぜなら、それらが共通の基盤、形にあらわれていない世界、自然法の全潜在力、純粋知識、純粋組織力を持っているからです。

それらが他のものと混ざり合ってしまうおそれがあるのは、具象化の次の段階においてです。

そこでは、進化の特定の経路の中に不純物が忍び込む可能性があります。

この不純物をより分けなくてはなりません。

そして、不純物は意識のレベルにおいてのみより分けることができます。

なぜなら、そこではそれがまだ意識のインパルスであるからです。

この不純物を取り除くためには、意識は純粋でなければなりません。

そして、そのためには生理機能を整えなくてはなりません。

身体の浄化法の一種 アビヤンガ中の写真

 

 

生命の進化的傾向の中に、老化という要素を含めるべきではありません。

しかし、老化は不法に入り込んでしまいます。

確かに進化とは変化する過程のことです。

しかし、その変化が生命を害するものであってはなりません。

なぜなら、変化は不変なるものの中で起こっているからです。

普遍なるものが変化するものの形をとって現れます。

不変なるものは不滅です。

ですから、不滅のものより生まれたものが、滅ぶべきものである必要はないのです。

 

不滅のものが滅びゆく唯一の原因は、記憶、スムリティの喪失です。

気づきの喪失です。

自然でない状態です。

純粋知識の働きによって異常が修復されます。

分析を突き詰めていくと、この修復は完全な気づきレベルで行われることが分かります。

なぜなら、無知というものは、突き詰めれば、完全に気づきのレベルにあるからです。

バガヴァッド・ギーターの終わりの方で、このことが述べられています。

アルジュナがクリシュナに「私は記憶を取り戻した」と告げています。

このようなことから、啓発(悟り)とはただ単に、意識的な目覚めの問題ということができます。

 

啓発(悟り)の状態とは、無拘束性に気づいていること、不滅性に気づいていることに他なりません。

そして、気づきの各側面が生理機能と関係しているために、異常を調べる際には生理機能を調査することが必要かつ重要なものとなります。

生理機能の調査が修正手段の出発点になることは明らかです。

修正が必要かどうかは、その人の行動様式をみれば分かります。

それから生理機能が調べられ、異常が見つかれば、その異常を取り除きます。

その後、その人が安らぎの状態を回復すれば、正常な状態に戻ったと言えます。

 

人間にとって安らぎの極限は純粋知識の中で漂っている状態です。

不滅で無限、そして終わることなく続く、純粋知識の構造の中で漂っている状態です。

老化は根底において無知に根ざしています。

そして、老化を押さえる最後の一撃は、気づきの全潜在力に目覚めることです。

この目覚めによって、生命が不滅のものへと高まります。

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続く

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