『Education』誌に発表された最近の研究では、超越瞑想を実践している学生は対照グループの学生と比べて卒業率が高いことがわかった。

以下は、オンラインの科学ニュースサイト「PsychCentral」に掲載された記事からの抜粋

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最近行われた調査研究は、学生が超越瞑想を実践すれば卒業率が改善され、結果としてそれが社会全体の利益になることを示唆している。

卒業率(中退率とは対照的な数値)の改善は、所得能力の向上、犯罪と収監の減少、公的扶助制度への依存度の減少につながる、と研究者たちは考えている。

最新データによると、米国の学校で学生が卒業する割合は69%しかない。今後10年間で1200万人の学生が学校を中途退学すると推定され、それが国家にもたらす損失は約3兆ドルにも上ると推計されている。

Robert-D.-Colbert-Ph.D3研究論文の主執筆者であるロバート・D・コルバート博士は、次のように語っている。

「現在は公教育にも明るい材料はあるのですが、都市部の学校は総じて学生の成績を悪化させたり卒業率を低下させるさまざまな要因を抱えています。」

彼はコネティカット大学ニーグ教育大学院の準教授であり、同大学院の多様性協議会の議長を務めている。

「学生には付加価値のある教育プログラムを提供する必要があり、そうすることで学校の教育成果の向上にもつながります。私たちの研究では、そのようなプログラムの一つとして超越瞑想に対する調査を行いました。超越瞑想は、米国の学生の生活を豊かにすることが期待できる大変有望なプログラムであるように思われます。」

『Education』誌に発表されたこの研究結果は、超越瞑想を実践する学生は対照群の学生と比べて卒業率が高いことを示している。

米国東海岸の都市部のある高校で、予定どおりに卒業させる生徒を決定するために、第三学年の生徒235人の学業成績が分析された。

成績平均点を考慮に入れた後に分析を行った結果、瞑想しているグループは瞑想をしていない対照グループと比較して、卒業率が15%高かった。またサブグループ分析で、成績が低い生徒のみを対象に分析した結果、この両グループの卒業率の差は25%に広がることがわかった。

この差が最も大きく現れたのは、学業成績が最も低い生徒たちの間においてであった。都会の学校に通学する学生の学業成績の向上精神的ストレスの軽減に関する調査が最近発表されたが、その調査結果は、この研究で示された卒業率の向上のメカニズムを解明するカギになるかもしれない。

この研究結果では、中途退学率と大学合格率についても、瞑想グループと対照グループの間に顕著な差が見られたという。

超越瞑想をしている生徒は、中途退学したり刑務所に収監されたりする傾向が少なく、また、中等後教育機関(大学、短大、専門学校等)の入学試験に合格する傾向が高い。