日本において貴族だけでなく、庶民も学ぶことのできる最初にできた総合大学はどこかご存知ですか。
それは今から1200年ほど前に弘法大師空海が京都に設立した綜藝種智院(しゅげいしゅちいん)とされています。
現在でも京都市伏見区の種智院大学に継承されています。
当時は身分制限が厳しく、庶民には殆ど解放されていなかった学問を、身分貧富に関わりなく学ぶことが出来た教育機関を設立したのです。
私はこの種智という言葉が大好きです。
マハリシ先生もよく喩えとして使われました。
ヴェーダの時代、生徒が先生に、「この宇宙はどのようにできたのですか?」と問うと、先生は、「あそこにあるバニヨンの木の種をとってきなさい」。
生徒が採ってくると、「割ってみなさい」。
割ってみると、バニヨンの種の中身は空洞です。
「分かるかい、この何もない空洞から、この巨大な木が生まれるように、この宇宙は何もない空から生まれるんだよ」。
現代物理学では、統一場が宇宙の起源であることをほぼ突き止めつつあります。
ちなみに、「種智・シュチ」という音はサンスクリットで「純粋性」を意味します。
マンダラのお話
マンダラと聞くと、日本人は東寺(教王護国寺)の両界曼荼羅図と立体曼荼羅を思い出すのではないでしょうか。
マンダラとは円を意味するサンスクリット語で、完全に円満具足した知識を意味します。
私がスタッフとして、掃除や食事作りをしていた1981年ごろ、マハリシ先生がリク・ヴェーダを完全に認知したというニュースが飛び込んできました。
それが何を意味するのか当時はまったく分かりませんでしたが、いまではその発見が今後数千年にわたり継承されていくであろう、きわめて偉大な発見であることが分かります。
阿吽(あ・うん)
阿吽の呼吸という言葉で知られている阿吽ですが、宇宙の始まりと終わりを表していると言われています。
種の知識であるリク・ヴェーダの始めの音はアです。
そのため真言宗ではアの字を観想するのだと思われます。
アの中に非具象の形で充満しているすべてがクへと崩壊するところからリク・ヴェーダは始まります。
アを説明するためにク、そしてアクを説明するために、あとのすべての句が展開していくのだとマハリシ先生は解説します。
そして10のマンダラとなっていきます。
知識と形
知識の解説とともに、形にも残す必要があります。
実は宇宙の体が私たちの生理であり、人間は宇宙そのものであることを、マハリシ先生は人間の生理モデルに表現し、そして驚くことに、ヴェーダの音を使って生理を整える実効性のある道具として残してくださいました。
また視覚的な効果ももたらすヴェーダ天文台(ヤントラ)の知識を復活してくださいました。
左図の中心の円の集まりが10のマンダラです。
9つの星、12の星座、27のナクシャトラの外側が、
192のスクタからなる第1マンダラと、
192のスクタからなる第10マンダラで、
第1マンダラと第10マンダラはギャップを埋めあうように重なっており、
その外側に残りの8つのマンダラが囲っています。
マハリシ国際大学の学生会館前に再現されました。
左の写真は、マハリシ・ヴェーディック・シティにある70㍍四方の柵の中に再現されたヴェーダ天文台です。
全体を見まわし、一つ一つの建造物を見て楽しみ、最後に全体を観ます。
中心のマンダラは、いくつのスクタ(音の集まりで章のようなもの)から構成されているのかを見て楽しんでいるうちに生理が整います。
第1マンダラと第10マンダラは、それぞれピンクと白で表現されていて、それらはお互いに歯車のように一体化して、パラプラクリティとプルシャを表しています。
つまり、永続する無限性を表現していると言われています。