謹賀新年
 京都の東寺さんには日本一の高さを誇る五重の塔がそびえ、お正月には塔の内部が公開されます。身をかがめて基壇の底までのぞき込むと噂どおり柱が宙に浮いていてびっくりします。神さまを数える単位が「柱」なので、心柱と呼ぶようになったという説があります。そこには如来や菩薩が描かれ宇宙を支えているように見えます。
 古代インドの建築学の知識でも建物の中心部は神が宿る場所としてとても大切にされます。心柱は各層の自由な動きを許しながら、バランスの中心となって塔を崩壊から守ります。昨年のコロナ禍では、政府も国民も集合意識に翻弄され、まるで心柱の無い塔のようでした。私たちは毎日規則的に瞑想して心のコアを維持し、個人と国家の安定をしっかり支えなければなりません。
 
 令和三年 元旦