ねぶたさの 春は御室の 花よりぞ
春はカパが優勢になる季節、うららかな眠たさを見事に表現した与謝蕪村の歌ですね。
私は95年から三年ほど京都のMKタクシーに乗務したことがありますので、この季節はどこに行っても大渋滞。
抜け道を知っているプロの運転手でないと仕事になりません。
今年は暖かいので、散ってしまったところも多いと思いますが、市内でも御室の桜は遅咲きで、他の盛りが過ぎたころまで楽しむことが出来ます。
わたしゃお多福
御室の桜
鼻が低くても 人が好く
優雅な佇まいの御室仁和寺の仁王門をくぐり、広い境内をまっすぐ進み、正面の中門を抜けると、満開の御室桜が迎えてくれます。
岩盤が固いため根が深く張れないので樹高が低いとか諸説ありますが、実際は未だに原因を調査中なのだそうです。
旧御室御所
本坊は宇多法皇の御所があった辺りに建つことから「旧御室御所」と呼ばれていています。
重要文化財に指定されている本坊表門を入るとすぐ、大玄関の前から表門のすぐ近くまで、松の枝が一本長ーく設えられていて、観光ドライバーとしてこの松をお客様にお見せすることが大いに自慢だったのですが、残念ながら枝が枯れたの、あるとき無くなっていることに気が付きました。
なにせ竜の如く10メートル近く地に這って枝が伸びていたのですよ。
さて、宸殿の北側にある池泉回遊式の「北庭」は応仁の乱以降再興され、現在の庭園は、7代目小川治兵衛の作です。
『植治』の名で知られる治兵衛は庭を大胆に改修することが多く、私は植治の和の美意識がこころに深く染み入り大好きです。
『曲がった柱でも家は建つ』
京都の寺院は時代を経た建物が多く、枯れた材も大いに趣があるのですが、建材のヒノキの真新しいものは、艶、香り、品においてこれに比するものはないと思います。
本坊の大玄関と黒書院に進むまでの部分は床から天井まで比較的近年に再建され、御所の新築の姿を垣間見ることが出来ます。
柱と桟に使われているヒノキは、廊下のかなり長い材であれ、一切フシを見つけ出すことが出来ません。
木目はどこまでもまっすぐ平行に等間隔で、まさに高貴さ、気品を携えたお公家さんを彷彿とさせてくれます。
『曲がった柱でも家は建つ』これはマハリシの言葉です。
私たちは日々瞑想を続け、体の内外の環境に気を付けながら、超一流の建材で家を建てる=『究極の悟り』を目指しているのです。
曲がった柱で歪んだ家づくりを目指しているのではありません。
一方、奈良東大寺「転害門」南西の節くれだった柱も素晴らしいものです。
皆様はどのように悟りを目指されますか。
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