アメリカには、ADHD(注意欠陥多動症)の子供達が200万人以上いるといわれています。
さまざまな治療法がありますが、最近、瞑想がADHDの治療法の一環として採用されています。
現在、ワシントン地区のある学校で代替治療の研究が行われており、生徒たちは瞑想には効果があると語っています。
「楽な姿勢で座って、マントラを始めましょう」と、プロジェクト責任者のサリナ・グロスワルド博士が指示を出します。
シルバースプリングのチェルシー・スクールで、ADHDの10人の生徒が超越瞑想を試しています。
同校は、子供たちが障害によるストレスを克服するのに超越瞑想が役に立つかどうかを調査する3か月間の研究の対象になっています。
「TMは心を落ち着かせる精神的な技法です。心が落ち着くと、身体が落ち着きます」とグロスワルド博士は説明します。
落ち着きのなさは、ADHDの子供の抱える問題の一つであり、多くの場合、彼らは何かに集中したり注意を向けることに困難さを感じています。
さらにグロスワルド博士は、「このような子供たちは行動の上で問題が生じたときに、フラストレーションを起こしますが、それはわざとそうしているのではなく、彼らは自分自身をコントロールすることができないのです」と説明します。
チェルシー・スクールでは、試験的なプログラムに参加した生徒たちが1日2回集まって瞑想をしていますが、彼らは瞑想が役に立っていると述べています。
「瞑想していると、宿題をするのも楽だし、あまり友だちとけんかしなくなりました」と、生徒のタイラー・デヴィッドくんは言います。
生徒のスコット・シュワルツマンくんも、「瞑想していると、勉強しているときにストレスがたまらないし、先生に怒られることも少なくなりました。普通の生徒と同じような行動がとれるんです」と言いました。
チェルシー・アカデミーの校長は、瞑想プログラムは学校全体に良い影響を与えると語っています。
アカデミー校長のリンダ・ハンディ博士は、「私は瞑想が当校の生徒全員に素晴らしい影響を与えるだろうと予想しています。生徒全員に瞑想させることができたらと思うとワクワクしてきます」