◎マハリシ・スタパティアヴェーダ
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダは、5000年以上昔にインドで成立した人類最古の知識体系として知られるヴェーダ科学の一部門です。
ヴェーダ科学は、自然医学、占星学、音楽といった広範囲にわたる40の部門からなり、スターパティヤ・ヴェーダは造形に関する知識、主に建物の建築に関する知識として位置づけられています。
この建築学の手法は、主に王族の宮殿や住宅の建設、都市計画などに応用され、カンボジアのアンコール遺跡等、アジア諸国の建築手法にも多大な影響を与えています。
わが国においても、寺院建築や都市計画、また家相学や方位学などに数多くの共通点が見られます。
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダの主要3原則
適切な方位づけ
最近の科学的研究により、私たちがどの方位を向くかによって、脳内の神経細胞が異なった反応パターンを示すことが明らかになりました。
この研究結果は、私たちの脳および身体の働きが、向く方位によって左右されるということを示しています。
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダの文献ではすでに、建物の方位づけが私たちの心と身体にもたらす影響を詳細に示しています。
この原則によれば、特に建物の玄関に関しては、真東もしくは真北に面していることが望ましく、それ以外の方位は否定的な影響をもたらすとされています。
私たちが日々生活する空間の適切な方位づけは、脳生理の適切な機能をもたらし、逆に誤った方位づけは、脳生理を誤った形に設定してしまう結果、心身のアンバランス、病気、思考・行動における問題などを引き起こしてしまいます。
適切な間取り
太陽が東から西へと移動するにつれ、地上には異なった質のエネルギーがもたらされます。そして私たちが暮らす建物の内部では、その場所によってそれぞれ異なった特定の影響力が働きます。
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダ建築学では、この各々の空間で働くエネルギーの質が、私たちが日々行う各々の活動の質と対応するように部屋の配置を検討します。
各部屋をその機能に応じて適切に配置することは極めて重要です。
そうすることで、食堂で眠くなったり、勉強部屋で空腹になるような問題は起こらず、また、消化不良、不眠、慢性疲労などを未然に防ぐことが可能になります。
適切な比率・寸法
自然界では、あらゆるものがその機能に応じた適切な比率・寸法を持っています。
例えば、私たち人間の身体の各器官は、適切に配置されているのみならず、正確な比率で形・大きさが規定されており、それが少しでも狂えばアンバランスや問題が起こります。
同様に、各々の部屋には理想的な比率・寸法が存在し、それが狂えば自然界との完全な調和が失われてしまいます。
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダでは、人間および宇宙の生理の比率に基づいた精密な計算手法により、各部屋の比率・寸法を割り出します。
自然の摂理を生かしたスタパティヤ・ヴェーダの建築
マハリシ・スターパティヤ・ヴェーダ建築学が扱う主要なテーマは『自然との調和』です。
建物を独立した個別の存在としてではなく、環境あるいは宇宙の一部分として捉える全体的な観点が基盤となっています。
建物に対してもたらされる太陽・月など天体からの影響力や、北極点・南極点・赤道との位置関係などを考慮することにより、自然界に働くあらゆる法則、自然の摂理と常に調和した理想的な住空間を創造する手法が明らかにされています。