マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(TM運動創始者)によるヴェーディック・サイエンス入門編
明かされたヴェーダの神髄 1991年月刊誌UTOPIAより
純粋知識の破壊することのできない性質
リグ・ヴェーダは、この場を「アクシャラ(Akshara)」と呼んでいます。
アクシャラとは、字義的には「破壊することのできない」という意味です。
純粋知識がすべての自然法であり完全なる組織力であるならば、それは破壊することができず、不滅のものであるはずです。
そこから、自然本性の8つの価値が出現します。
これら8つの価値は創造界に表された価値です。
そして、純粋知識の基本的価値は、形に表されていない抽象的なものです。

ヴェーダ科学からみた自然の諸法則の表れの仕組み
この詩句の最初の行で、リグ・ヴェーダが述べているのは、全創造物の根底にあって完全に目覚めているヴェーダのインパルス、意識のインパルスは、超越意識の中に構成されるということです。
実際に「超越的」という言葉が使われています。
“Parame vyoman“という表現です。
Parameとは、「超えた」とか「超越的」という意味です。
そして、vyomanとは場を意味します。
アカーシャの場のことです。
物理学の量子場理論によれば、場はすべての素粒子に浸透しており、粒子は場が生み出す波動、励起であるといわれています。
この同じ詩句の次の行で、リグ・ヴェーダは、「この破壊することのできない超越領域の中に、宇宙全体を動かしている創造的知性のインパルスが存在する」と述べています。
これは自然界の根本価値に関する素晴らしい描写です。
私たちは、Devaを「知識の閃光」または「創造的知性のインパルス」と訳します。
そして、それは基本的には8つあります。
adhivishveとは「宇宙全体に関わる」という意味です。
そしてリグ・ヴェーダは、この場に対する気づきを得ることの意義について説明します。
「このアクシャラ、破壊することのできない場を知らない者に対して、ヴェーダの詩句、純粋知識の波動は何をしてあげられるだろうか」と述べています。
自然界に働いている全組織力の根底にある純粋知識の波動は、意識の中に築かれます。
その人が意識を知らないのであれば、自然界に働いている組織力の波動は何ができるでしょうか。
この理由のためにヴェーダが失われ、世界が苦しみへと陥ったのです。
人生の苦しみは、組織する能力がないため、そして、宇宙生命のすべての動きを指揮している自然の力を支配する能力がないために生じます。
この能力の欠如の原因は、自然界の統治者、すべての生命の統治者である根本価値とのつながりを維持できないことです。
私たちは、生命の全潜在力を楽しむことができるような技術を持って人生を生きなくてはなりません。
そして、個人が生命の全潜在力を楽しんでいる時に、その同じ行動によって、自分のまわりの環境の中に自然法の全潜在力を活性化できなくてはなりません。
このような生活の技術が、生命に関する完全な科学にとって重要なものとなります。
そして、それは活性化の影響力を、すべての創造物の共通の基礎である、破壊することのできない場のレベルから生み出すことができる時にのみ可能となるのです。
続く
次回は「自然法の全潜在力を活性化するための方法論」です。