私はマハリシ国際大学の副学長を務めるグレイグ・ピアソン教授のたぐいまれな知性と表現のすばらしさにいつも魅了されます。

今回は、教授のブログのうちタオと超越意識の記事のリンク

と、マハリシ総合教育研究所公式ホームページから、博士の同記事(日本語)をご紹介させていただきます。はやり日本語になっているほうがはるかに頭に入ってきやすいですね(^^)/

老子の『道徳経』は、素晴らしい真理が書かれているのですが、肝心のタオ(道)の直接体験が、長い人類の歴史の中でほんの一握りの人たちしか体験しえなかったため、教えの核心の部分は形而上の考察にとどまる解説が多く、人間の営みについてのわかりやすい部分のみの解説が多いのだと思います。

しかし、超越瞑想の実践により、超越純粋意識(タオ)の体験は、4歳のお子様からご高齢の方に至るまで、誰でも簡単に体験することができ、そして、無限に拡大した意識をほんのわずかでも垣間見始めることで、意識と心は大きく拡大しはじめ、老子の遺された言葉をたやすく理解できるようになります。

偉大な聖人の方々は皆、源からどのように形が現れ、その過程を叡智の眼で見通し、そして源に戻っていく過程まで認知しておられたのでしょう。

ここで私は、二つの充満性のお話を過去の「月間ユートピア」記事から抜粋して書かせていただきます。色即是空、空即是色。形のないものの中に、実はすべての被造界の種が含まれていることが、喩えをもとに理解していただければ幸いです。

二つの充満性のお話

星がまだ姿を現していない、ある夕方、先生と生徒が散歩をしていました。

夕日はゆっくりと夕闇の中へ消えていこうとしています。

先生は、空を指して「何が見えるかな」と尋ねました。

生徒は、深く限りない広がった空を見つめて、

「何も見えません。ただ空が広がっているだけです」

二人は黙ったまま、しばららく歩き続けました。やがて先生は立ち止まり、再び生徒に空を見るように言いました。

「さあ、何か見えるかい?」

生徒が空を見上げると、夜空はまたたく星でいっぱいです。

「たくさんの星が見えます」

先生は言いました。

「空には、ほんの数分前までは何もないように思えたけれど、本当は、そこにはたくさんの星や惑星や銀河があったんだよ。

ただ、太陽が出ているうちは見えなかっただけなんだ。

望遠鏡でのぞくと、今度はもっと、眼に見える以上の、数えきれない星や銀河に気づくよ。

この空に満ち溢れた星たちは、すべて無限の空間の充満性から誕生したんだ。

創造的知性の見えない充満性は、宇宙として現れた充満性を生み出しているんだね。

これが生命に関する話さ。

分かるかい」