抗うつ剤はセロトニンを人為的に操作するが、超越瞑想はセロトニンを自然に増やす

うつ病は世界中の何百万人の人生を惨めなものにしていますが、現代科学では、うつ病の原因や治療法はまだ十分に解明されていません。

うつ病の原因に関しては様々な見解がありますが、多くの研究者は、セロトニンという神経伝達物質の濃度のアンバランスが、その人の気分を憂鬱にし、うつ病を引き起こす可能性があると考えています。

セロトニンは実際には神経伝達物質ですが、しばしば「幸福ホルモン」と呼ばれています。

セロトニン濃度の減少には、以下のような要因が考えられます。

 – 脳細胞によるセロトニンの産生量が少ない。
   – セロトニンを受けとめる受容体の部位が不足している。
   – セロトニンがその受容体の部位に到達できない。
   – セロトニンの原材料となるトリプトファンが不足している。

これらの生化学的要因のいずれかが作用している場合、研究者は、それがうつ病を引き起こしているのではないかと考えます。

うつ病の症状が重くなると、脳はもはや正常に機能しなくなり、その結果、「幸福ホルモン」であるセロトニンの産生量が減少し、不幸な気分が増していくのです。

抗うつ剤治療では、セロトニン濃度を人為的に調整することで、うつ病の症状を和らげようとします。

その方法では症状を緩和できるかもしれませんが、副作用を引き起こす可能性もあります。

それに対して、超越の体験は、体に備わる治癒力を目覚めさせることで、脳の正常な機能を徐々に取り戻していきます。

ある研究結果では、TMの実践中にセロトニンの産生量が増えることが確認されました。

さらにTMの規則的な実践を続けていくと、1日を通じてセロトニンの産生量が増えるということが明らかになりました。

Ref.BUJATTI, M., and RIEDERER, P. Serotonin, noradrenaline, dopamine metabolites in Transcendental Meditation technique. Journal of Neural Transmission 39: 257–267,1976 

多くの患者が、超越瞑想の実践を続けることで、うつ病の症状が著しく改善したと報告しています。

研究の結果、超越の体験は、遺伝性の臨床的うつ病さえも改善することが分かっています。

抗うつ剤には有害な副作用があり、超越には有益な副作用があります。

 

有益な副作用

明かりを灯すと暗闇は消えてなくなります。

すべての人の内側には永遠なる幸福の源があります。

セロトニンの増加は、私たちが自身の内側にある幸福の源にどのくらい触れているかを客観的に知るための一つの指標となります。

そしてまた、内側にある源に触れることで、このサイトで紹介しているように、健康、脳の発達、自信、人間関係、成功など、他にも多くの面に改善が見られます。

そして私たちは、自分自身に対して良い感じをもつようになり、自分のことがもっと好きになります。

自分を好きになることで、人生全体を改善するのための基盤が築かれるのです。

うつ病に対するTMの効果:科学的研究

TMの実習がうつ病にもたらす効果は、20件以上の研究によって検証されています。

1.米国の国立衛生研究所による研究

米国の国立衛生研究所(NIH)は、世界で最も大きく最も有名な保健研究機関の一つです。

NIHが科学的研究に対して高い質を要求することはよく知られています。

ここ数年、NIHは、超越瞑想がうつ病に与える影響を調査する2件の研究に資金援助を行ってきました。

これらの研究は、心臓病に対するTMの影響を調査する大規模な研究の一部として行われています。

TMを3カ月実践した後に臨床的うつ病が48%緩和

ロサンゼルスのチャールズ・ドルー大学とコハラのハワイ大学で行われた2つの研究では、TMを学んだグループは、対照グループと比較して、うつ病の症状に有意な改善が見られました。

この改善は、重度のうつ病を抱えている被験者に最も顕著に現れました。

臨床的うつ病と診断された被験者は、平均して抑うつ症状が48%緩和しました。

最も顕著な改善は3カ月以内に起こりました。

Ref.Ethnicity & Disease 17: 72–77, 2007Ref.American Journal of Hypertension 22: 1326–1331, 2009

2.超越瞑想と心理療法との比較

米国デンバーのコロラド大学医療センターで行われた研究では、心的外傷後ストレスの治療を受けている患者を対象に、うつ病を含むいくつかの症状に関して、最新の心理療法と超越瞑想の効果を比較する調査が行われました。

TMは最新の心理療法よりも大きな効果が見られました。

 3カ月後、TMを学んだグループは、調査されたすべての症状で有意な改善を示しました。

 
 –うつ病 p<.001*,
   –心的外傷後ストレス障害 p<.001,
   –不安症 p<.001,
   –感情の麻痺 p<.005,
   –アルコール依存症 p<.01,
   –不眠症 p<.001, and
   –家庭内トラウマ p<.01.

それに対して、心理療法を受けたグループは、どの症状にも有意な改善は見られませんでした。

ただし、重度のトラウマ性ストレスをもつ患者の治療に超越瞑想を用いる場合には、治療効果が期待できるのは、症状がそれほど重くないか、根深くない患者であるという前提で取り扱う方が無難でしょう。

Ref.Journal of Counseling and Development 64: 212–215

3.超越瞑想とストレス管理との比較

心理療法と同様に、ストレス管理も心の表層にしか作用しない傾向がありますが、しばしばうつ病の原因になっている緊張は、心のずっと深いところに根差しています。

そのためストレス管理は、超越の体験とは異なり、うつ病に対する効果は限られたものになりがちです。

ストレス管理は心の表層にしか作用しませんが、うつ病の原因は心のずっと深いところに根差しています

このことを検証するために、米国カリフォルニア州ウェストオークランド健康センターと米国政府が共同で研究を行いました。

この研究は米国政府の監視が厳重な機関で行われたものです。

この機関で勤務する職員は高いストレスにさらされていることがよく知られています。

職員は、TMを学ぶグループと、ストレス管理プログラムに参加するグループの2つに分けられました。

どちらのグループも、プログラムに対して同じ程度の期待を持ち、TM教師またはストレス管理コーチから同じ時間数の訓練を受けました。

また、結果を測定した研究者は、どの職員がどちらのグループに属しているかを知らされていませんでした。

調査を開始した時点では偶然にも(無作為振り分けのため)TMグループの方が抑うつのレベルが高かったのですが、3カ月以内に劇的な改善を示し、一方、ストレス管理グループは統計的に有意な改善は見られませんでした。

3年後に再度測定が行われた時に、この違いは顕著に現れました。

ストレス管理グループは統計的に有意な悪化を示しました(抑うつのレベルを測定した点数が高くなっていました)が、TMグループは、職務で多くのストレスにさらされていたにもかかわらず、改善が持続していました(p<.01)。

薬物療法と瞑想

うつ病の患者の中には、短期間に顕著な改善を示す人もいますが、多くの場合、その効果は徐々に現れてきます。

そして、TMを規則的に実践していると、その効果は蓄積していきます。

ですので、うつ病の処方薬を服用している方は、薬物療法と瞑想をどちらも続けて、症状が軽減したり、なくなったことに気づいたときに、薬を徐々に減らしてもよいかどうか、かかりつけの医師に相談するようになさってください。

医師に相談せずに薬物療法を中止することは望ましくありませんのでご注意ください。