脳のアイドリング状態と例えられるDMNが脳のエネルギーの80%を消費するとは限らない!

【デフォルト・モード・ネットワーク】(DMN:Default Mode Network)

脳の各部で活動が連携し、エネルギーの80%を使ってしまうと言われている。

人間は何もしないでボーとしているときに、複数の脳領域で構成されるネットワークにより、脳内のさまざまな神経活動を関連させる働きがあるため、エネルギーの80%を使ってしまうと言われています。上の写真では、子供たちは、それぞれ関係し、エネルギを使っている脳のような状態と言えましょう。

 

【マインドフルネスの手法】

DMNで活発な脳の活動を、教室に例えると、先生がある場所に生徒の注意を向けさせ(この場合は地球儀に)教室内を静かにさせるような状況

マインドフルネス・テクニックの場合、指導者により異なりますが、たとえば「呼吸」に集中するよう指導されます。集中が増すに従い、脳内ではガンマ波が優位になります。

科学的な調査によりますと、【注意の集中法】は情緒面が豊かになる効果が認められています。

 

一方、たとえば、呼吸か周囲に注意を向けながら、そこにとらわれないでさりげなく観察【ありのままの自己観察法】するように指導する指導者の方もいらっしゃるようです。

 

基本的な考えかたは、「デフォルト・モード・ネットワーク」でロスする脳内のエネルギーを、体の一部や周囲の状況を観察する意識に移行させることで、エネルギーの無駄な消費を少なくすることを試みるわけですから、有効な方法の一つと考えられます。

科学的調査によると、【ありのままの自己観察法】的なマインドフルネス・テクニックにより、情報に気を配り、心身両面の健康増進の効果が認められています。

 

【超越瞑想TMテクニックの場合は自動的な自己超越】

この写真は最適な例示とは言えませんが、静かに整然とし、エネルギーロスのない脳の働きを示しているつもりです。

超越瞑想TM中の脳波を計測すると、(眠りデルタ波)、夢(シータ波)、そして通常の目覚めの意識(ベータ波)とは異なる、4番目の種類の意識状態になる瞬間があります。

この超越意識・純粋意識と呼ばれる意識状態は、「安らいでいながら鋭敏」(restfull arartness:安らぎの機敏さ)と呼ばれる非常にユニークな脳機能の状態を示し、

意識は内側で完全に目覚めていながら、無念無想状態となります。

人間の脳には1000億個の脳神経細胞があると言われていますが、すべてのニューロンが整然と揃い(Coherent 同期・同調)、1秒間に10回ほど上がったり下がったりする現象が認められます。

マハリシ国際大学の脳・意識と認知センター所長であるフレッド・トラビス博士(心理学Ph.D)はこの状態をアルファ波1(8~10ヘルツ)と呼び、アルファー2(10~12ヘルツ)とは区別しています。

そして純粋意識を体験している時間は伸びていき、やがて、眠り、夢、目覚めの意識状態と第4の意識状態が共存する状態に変化していきます。

結論:瞑想には三つの種類があり、それぞれ瞑想手法には目的と効果は異なる。

 

 

 

この図で大切なポイントは二点あります。

一つは、瞑想のメソッドで、禅と座禅を分けていて同じ手法ではありません。

二つ目は、禅の初心者と、熟練者では全く異なる脳波が計測され、例えば45年間禅を修行した被験者は、TMで超越意識と呼ぶ脳波機能と同じ波形を示します。

ただ、超越瞑想TMテクニックは、努力のいらない自然な瞑想法で、ほぼ全員が実習開始3か月以内に超越意識を体験できることが確認されています。

参考文献

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