想念の力を強める

何かを達成するためには、私たちの行動を導いている想念の力を強くすることです。しかし、強い想念とは「強く思い続ける」ことではありません。超越瞑想によって、心は想念のより微妙な状態を体験していきます。心がより精妙な想念を体験するにつれて、想念の力はより大きくなります。そして心が最も精妙な想念を体験するとき、想念の力は最大となります。ですから、その人が考えるだけで、周りの環境がその考えに反応するようになるのです。それが、自然からの支援と呼ばれる現象です。自然(宇宙)が、その人の願望が実現されるように助けてくれます。そのことをマハリシは次のように語っています。

「願い、そして、あとは忘れなさい。細かなことは、宇宙を信頼してまかせなさい。」

◇ ◆ ◇ 体験談 ◇ ◆ ◇

「気楽にやってみる」
経営者、男性、TM歴9年

私はボウリングが好きなのですが、スポーツの世界は「結果」が出るのが早いので、「願望の実現」の経過が良くわかります。特にTMをしてからは面白い気づきがいろいろありました。例えば、ボウリングの投球動作中「ストライクを出したい」という願望を持ち続けて投球すると、なんとストライクは出にくいのです。願望を持ち続けると、無駄な努力を生んだり、「失敗するかもしれない」という不安がわいてきて、ボウルは思うところに行かないのです。

逆に良い結果の出る時は、結果ではなく自分の投球動作に注意が向いています。自然な動きだけを心がけます。結果にとらわれていませんから、不安も無いし失敗も恐れません。そして、自分のスイングが理想どおり自然な動きになった時、不思議と良い結果がやってきます。普通なら倒れないようなピンが倒れたりするのです。何かが良い結果を「導いてくれている」と思えるくらいです。

また何年か前に、スターパティヤ建築の那須研修センターを訪れました。朝の目覚めがとても気持ちよかったので、「スターパティヤ建築の家に住んで、毎日こんな目覚めがしたい」とふと思いました。しかしその時は否定的な発想しか出て来ず、できない条件だけがいっぱい浮かんできました。(まさかその半年後にスターパティヤの住宅で生活することになるとは思いもしませんでした)

私は那須から帰ると、強い願望は持たずに気楽にスターパティヤ・ヴェーダの案内書を取り寄せました。その後知り合いの建築会社の方に会ったので「こんな建築法で家つくれる?」等と気楽に聞いてみました。そんな風に気楽にいろいろしていたら、いつからか「これ本当に家できちゃうんじゃないの?」という気になってきました。何かがそちらに流れ出した、動き出したという感じでした。

願望を忘れ、できることを気楽にしてみただけで実現したのです。おそらく、結果や願望だけを考えていたら、難しい問題ばかり出てきて一歩も進まず止まっていたでしょう。この「気楽にしただけ」ができるようになったのは、TMの最大の効果の一つだと思います。(TM歴9年、経営者)