「アメリカ最古の帆船 Star of India」

「帆を張って風に乗る」

20年ほど前、サラリーマンを辞めて、自分で会社を始めましたが、何分にも若くて経験がないものですから、努力が空回りして、ストレスがかなりたまっていました。朝は誰よりも早く起きて人の倍働いて、夜は一番遅くまで残ってすべてを管理するという感じで、これ以上は体力的に限界だろうというところまで来ていたんです。悩んで迷って、いろんな経営のセミナーに出たりしましたが、実際的な効果はなかなか得られませんでした。

「何かしないとだめだ。このままだと倒れてしまう」という不安から、本屋に行っては経営の本や宗教の本など、ありとあらゆる本を読みあさりました。そんなとき、たまたまTMの本を見つけ、「あっ、これだ!」と直感的に感じて、すぐに始めました。

人生の流れが変わる

それから、人生の流れが大きく変わり始めました。それまで僕は、どちらかというと要領の悪い方で、人の何倍もがんばらないとだめだったんです。効率が悪い分、努力や忍耐で積み上げてやってきました。それが、TMを始めてから、効率がよくなったと感じ始めたんです。いろんな面でよい流れが起こり始めました。

例えば、人生や経営というものを航海に例えると、船に乗ってA地点から目標のB地点に行こうとするときに、普通の人はオールをもって手で漕いで行きます。だから一生懸命漕がないといけない。雨の日でも風の日でもとにかく頑張り続けるんだ、どんなに苦しくても決して手を離してはいけない、と思っていました。しかし、一生懸命漕いでいると、血豆はつぶれ、手はぼろぼろになって、もうこれ以上できない、というときもあります。それでもやらなくてはいけない、それが美徳だ、みたいに感じていたんです。

それが、TMをはじめてからは、自分でオールを漕ぐのではなく、ただ帆を張ればいいんだ、ということがわかったんです。風って目に見えませんが、風が吹くと物が動いたりして、確かに風が吹いていることはわかります。みんなも、そのような風があることは感じているんですが、それを意のままに利用することができない。

それがTMをやることによって、帆が張れたような感じがして、それ以来、風を受けて船がみるみる進んでいくんです。自分が努力して漕いでいたのは何だったんだろうと思えるくらい。オールを入れて自分で漕ごうとすると、オールがはじかれてしまうんです。オールを入れないほうが、抵抗がない分かえって早く進む。行きたい方向にただ梶を向けるだけで、船はどんどん進んでいくようになりました。

そういう体験をして、「ああ、これが運とか、追い風に乗るということなんだ。普通の人がそれに乗れないのは、帆が張れていないからだ」と思ったんです。TMを始めて、特にTMシディプログラム(TMの上級コース)を学んでからは、帆が大きく張られて、自分の手で漕がなくてもよくなりました。「人生ってこれでいいんだ」という、ものすごい価値感の転換でした。

仕事が向こうからやってくる

具体的には、TMを始めてから、仕事がどんどんやってくるようになりました。僕の会社は、ビル管理をしているのですが、最初はワゴン車におばちゃんを何人か乗せて、ビルのワックスがけとか、清掃をしていたんです。その頃は、相対的な価値感しかないものですから、倍の利益を得るためには、倍の仕事をしなければならないと思っていました。

それがTMをやり始めて、発想が変わってきたんです。それまでは、すべて自分がやらなければ気がすまないところがあったんですが、自分の代わりに動いてくれる人、ブレインのような人が周りに増えてきました。

そして、いろいろ勉強していくうちに、ビル管理といっても清掃だけではなしに、建物の技術的なメンテナンスや、電話交換のオペレーターなど、いろんな仕事ができることがわかってきました。その当時、官公庁がコストダウンのために業務を民間に委託し始めた頃だったので、そうした仕事がどんどん広がっていきました。

TMをしていると、自分であまり努力しなくても、こうなったらいいなと思ったことが、うまく進んでいくようになります。僕はあまり営業が得意じゃなくて、立派なプレゼンができたわけでもないのに、向こうから「お宅にお願いしたい」と言ってくるんです。一件だけなら偶然ということもあるでしょうが、その時期「この官公庁の業務を管理しているのはお宅様だから、うちもやってもらえないか」という話が相次いでやってきました。

奴隷のような人生から解放

それまでの人生は、まるで奴隷のような感じでした。朝も、目に見えない義務という鎖に縛られて、どんなに眠たくても、風邪をひいていても、「これは自分がやらなくてはいけない。どうしてもこれをやらなくてはいけない」と感じていました。周りの人を見ていても、日本人は責任感が強いから、結局オーバーワークで倒れていく。そうした状況を見てきて、非常に矛盾を感じていました。それが、責任を放棄したわけではなくて、うまく回っていくようになったんです。

自分の才覚や能力から見たら、自分の人生はこれぐらいじゃないか、と思っていたのが、二次曲線的に見える景色が変わってきました。今までなら、こんなことは自分にはできないとか、これをしなければならないと考えていたのが、そうした束縛から解放されて、人生の自由さが大きく増しました。

一番大きく変わったのが時間だったんですが、それまでは土日すらまともに休むことができなかったのに、どんどん長い休みが取れるようになり、自由に旅行ができるようになりました。自分の創造性や能力を高めるために、時間とお金を自由に使えるようになったんです。

TMをして帆船に乗り換えてください

TMをしていない方にお伝えしたいことは、人生という長い長い航海の旅を、無理してがんばって、オールを漕ぎつづける必要はない、ということです。目には見えませんが、運命を動かす風はいつも自分のまわりに吹いています。

超越瞑想とTMシディプログラムという帆をはるだけで、自然の支援という風を受けて、船は思いもよらぬ速さで進んでいきます。そうすれば目的地に着くために、汗水垂らして漕ぎつづけていた多くの時間を、人生をより豊かにするために使えるようになるのです。

追い風を受けて快適に進む帆船に、ぜひ乗り換えてください。